「地方移住や二拠点生活に興味があるけれど、どうやって物件を探せばいいの?」
「リフォームして自分好みの空間を作りたいけど、手頃な空き家が見つからない…」
近年、社会問題として注目される「空き家」ですが、新しいライフスタイルを模索する人々にとっては、可能性に満ちた魅力的な選択肢です。
しかし、いざ探し始めると、その方法がわからず途方に暮れてしまう方も少なくありません。
この記事では、そんなあなたのために、空き家を見つけるためのあらゆる方法を網羅的に解説します。
インターネットを使った基本的な探し方から、まだ市場に出ていない物件を自力で見つけ出す応用テクニック、さらには契約前の注意点まで、理想の空き家と出会うためのノウハウを凝縮しました。
この記事を読めば、空き家探しの第一歩を自信を持って踏み出せるようになるはずです。
【基本】空き家の見つけ方4選|まずはサイトや不動産会社で探そう
まずは、比較的簡単で情報も得やすい、基本的な空き家の探し方からご紹介します。これらの方法を組み合わせることで、効率的に物件情報を集めることができます。
空き家バンク:自治体運営で掘り出し物も
空き家バンクとは、空き家の所有者と利用希望者をマッチングさせるために、主に地方自治体が運営する情報サイトです。
地域活性化を目的としているため、一般的な不動産市場には出回らないような、ユニークで安価な物件が見つかることもあります。
- メリット: 自治体が仲介するため安心感があり、移住支援の補助金などと連携している場合も多い。
- 探し方のコツ: 全国の空き家バンク情報をまとめたポータルサイトで、希望エリアの情報を横断的に検索するのがおすすめです。気になる物件があれば、まずは自治体の担当課に問い合わせてみましょう。
不動産ポータルサイト:圧倒的な情報量で効率的に探す
SUUMOやアットホームといった民間の不動産ポータルサイトは、情報量が豊富で、空き家探しの強力な味方になります。多くの物件を比較検討したい場合に最適です。
- メリット: エリア、価格、間取り、築年数など詳細な条件で絞り込めるため、希望に合った物件を効率的に探せます。
- 探し方のコツ: 「空き家」というキーワードだけでなく、「古民家」「現状渡し」「リフォーム・リノベーション向け物件」といったキーワードで検索すると、思わぬ掘り出し物が見つかることがあります。
地元の不動産会社:ネットにない未公開物件に出会う
希望するエリアが具体的に決まっているなら、その地域の不動産会社に直接相談するのが非常に有効です。
地域に根差した不動産会社は、インターネットには掲載されていない独自の物件情報を持っていることが少なくありません。
- メリット: 物件の長所だけでなく、地域の特性や注意点といったリアルな情報を教えてもらえます。所有者との価格交渉などもスムーズに進めてくれるでしょう。
- 探し方のコツ: 複数の不動産会社を訪問し、親身に相談に乗ってくれる、信頼できる担当者を見つけることが成功への近道です。
自治体の募集ページ:競争率の低い穴場情報を狙う
多くの人が見落としがちなのが、自治体の公式ウェブサイトです。空き家バンクとは別に、移住定住促進の一環として、自治体が直接管理する空き家の入居者を募集している場合があります。
- メリット: 空き家バンクや不動産ポータルサイトに比べて情報が探しにくいため競争率が低く、穴場物件が見つかる可能性があります。
- 探し方のコツ: 興味のある自治体のウェブサイトを定期的にチェックし、「移住」「定住」「空き家」といったキーワードでサイト内検索をかけてみましょう。
【応用】売られていない空き家を自分で見つける方法
基本的な探し方で理想の物件に出会えなかった場合、さらに一歩踏み込んで、まだ市場に出ていない「眠っている空き家」を自分で探し出す方法に挑戦してみましょう。
根気は必要ですが、唯一無二の物件に出会える可能性も秘めています。
足で探す!空き家の見分け方のポイント
まずは、グーグルマップなどで目星をつけたエリアを実際に自分の足で歩き、空き家と思われる建物を探します。
長期間、人の手が入っていない家には、以下のようなサインが現れます。
- 庭木や雑草が生い茂り、手入れされていない
- 郵便受けがチラシや郵便物で溢れている
- 外壁や屋根の傷みが激しい、窓ガラスが割れている
- 電気メーターの円盤が動いていない
- 人の出入りする気配が全く感じられない
ただし、これらはあくまでも目安です。無断で敷地内に入ったり、中を覗き込んだりする行為は絶対にやめましょう。トラブルの原因となります。
空き家の所有者を特定する2つのステップ
「この家かもしれない」という物件を見つけたら、次は所有者を特定するステップに進みます。
- 近隣での聞き込み: まずは、その家の周りの住民や近くの商店などで、丁寧に話を聞いてみましょう。「この地域への移住を考えておりまして、もし空き家があれば購入したいと考えているのですが…」と、目的と身分を正直に伝えることが信頼を得るコツです。
- 法務局で登記情報を確認: 最も確実な方法は、法務局で「登記事項証明書(登記簿謄本)」を取得することです。所在地番を特定し、手数料(オンライン請求なら500円程度)を支払えば、誰でもその不動産の所有者の氏名と住所を確認できます。ただし、登記上の住所が古い場合もあるため、注意が必要です。
後悔しない!空き家探しの注意点とトラブル回避策
魅力的に見える空き家ですが、購入や賃貸の前には必ず確認すべき注意点があります。後々のトラブルを避けるためにも、以下の点をしっかり押さえておきましょう。
所有者が不明・売る気がない場合の対処法
登記事項証明書を取得しても、所有者が既に亡くなっていて相続登記が未了のケースや、所有者が見つかっても売却の意思がないケースは珍しくありません。
相続人が多数いる場合は、全員の同意を取り付ける必要があり、交渉は非常に困難です。所有者に売る気がない場合は、無理強いせず、潔く次の物件を探しましょう。
物件の状態が悪い|購入前に確認すべきこと
安価な空き家は、建物の状態が悪いことがほとんどです。
購入後に想定外の修繕費用が発生しないよう、契約前に専門家による「ホームインスペクション(住宅診断)」を実施することを強くおすすめします。特に、以下の点は重点的にチェックしましょう。
- 構造: 雨漏り、シロアリ被害、基礎のひび割れ
- 設備: 水道、ガス、電気、給湯器などが使えるか
- 法規制: 再建築ができない土地ではないか
仲介を断られる?価格が低い空き家の探し方
あまりに価格が低い物件は、不動産会社の仲介手数料も安くなるため、取り扱いを断られてしまうことがあります。
このような場合は、個人間売買をサポートしてくれる司法書士や行政書士に相談するか、自治体の移住相談窓口でアドバイスを求めるのが良いでしょう。
まとめ:自分に合った探し方で理想の空き家を手に入れよう
今回は、空き家の見つけ方を「基本」と「応用」に分けて、網羅的に解説しました。
- 【基本】まずはサイトや不動産会社で情報収集
- 空き家バンク
- 不動産ポータルサイト
- 地元の不動産会社
- 自治体の募集ページ
- 【応用】自分の足で市場にない物件を探す
- 街を歩いて空き家を見分ける
- 聞き込みや登記情報で所有者を特定する
- 【注意点】契約前にリスクを確認
- 所有者の意思や権利関係
- 建物の状態(ホームインスペクションの活用)
空き家探しは、時に根気と行動力が必要ですが、その先には理想の暮らしが待っています。この記事で紹介した方法を参考に、ぜひあなたにぴったりの方法を見つけ、素敵な空き家との出会いを実現してください。